【鎌倉七口】鎌倉へと続く塩の道。冒険気分で朝夷奈切通をハイキング
やなけん(@yanaken8787)です。
実母と横浜市金沢区朝比奈インター近くから鎌倉市十二所までを結ぶ、「朝夷奈切通(あさいなきりどおし)」にハイキングに行ってきました。
鎌倉と六浦の間には山があり、この山を切って道を造成したものが切通です。(山を切り取ってしまう発想がすごい)
天気の良い日だったので気持ちよく歩けました。皆さんにもお勧めしたいハイキングコースです。
朝夷奈切通(あさいなきりどおし)とは?
朝夷奈切通は鎌倉七切通しの一つで、国の指定史跡です。
朝夷奈切通は鎌倉幕府第3代執権であった北条泰時が整備した、鎌倉から六浦までをつなぐ道です。鎌倉は遠浅の海で破天荒の時は船が接岸できなかったため、鎌倉の外港として栄えた六浦港から物資を運ぶための道でした。
開通後は、江戸の内海や北からの物資はすべて六浦港へ陸揚げされ、朝夷奈切通を通って鎌倉まで搬送されたそうです。また、六浦は塩の産地であった事もあり、塩の道と呼ばれていました。
超重要な道だった訳です。
1956年(昭和31年)に朝夷奈切通を迂回する形で県道204号線が開通、それまでは県道として利用(!)されていました。
715年もの間、重要な道として存在し続けたのです。すごい。
そんな歴史に思いを馳せながら歩くのもいいですね。
朝夷奈切通ハイキングコース
今回、我が家は六浦側から朝夷奈切通へ入りましたが、鎌倉側からのハイキングをオススメします。
理由としては、泥濘んでいる傾斜のある場所を通ります。鎌倉側から行くと上りになるため、多少楽に歩けます。
【朝夷奈切通オススメコース】
鎌倉駅→ 十二所バス停→ 朝夷奈切通→ 朝比奈バス停→ 金沢八景駅 or 鎌倉駅
十二所果樹園と熊野神社に寄り道しても3時間かからないコースです。
行動のログを取り忘れていた事に気付き、途中からの記録になっています。
あー。なんで最初からログを取らなかったのか・・・非常に悔やまれます。
スタートは十二所(じゅうにそ)バス停
途中にトイレはありません。
鎌倉駅で必ずトイレを済ませ、バスに乗って十二所バス停に向かいます。
スタート直後は、しばらく住宅街が続きます。
川沿いを歩いていると、左手に太刀洗水が見えてきます。
謀反の罪で源頼朝から命を受けた梶原景時が、千葉上総介広常を暗殺しました。血塗られた太刀を洗ったと言われているのが、この太刀洗水です。
梶原景時は広常と双六で遊んでいる時に襲いかかり首を取ったそうです…
しかも源頼朝の広常に対する疑念は、後に無実だったことがわかり、千葉一族は無罪放免になったとか。えぐい。。。
そんな湧き水です。
十二所果樹園
太刀洗水からすぐに、十二所果樹園と朝夷奈切通を示す行き先案内が出てきます。今回は梅の季節だったので、足を運んでみました。
先日の暴風雨で花が散っていましたが、少しだけ季節を感じられたかな。
展望台まで行くと、運が良ければ富士山が見えるそうです。
いざ、朝夷奈切通へ
十二所果樹園から朝夷奈切通方面案内に、説明書きが立っています。
国指定史跡 朝夷奈切通
朝夷奈切通は、いわゆる鎌倉七口の一つに数えられる切通で、横浜市金沢区六浦へと通じる古道(現在の県道金沢・鎌倉線の前身)です。鎌倉時代の六浦は、鎌倉の外港として都市鎌倉を支える重要拠点でした。『吾妻鏡』には仁治2年(1124)に、幕府執権であった北条泰時の指揮のもと、六浦道の工事が行われた記事があり、これが造られた時期と考えられています。
その後、朝夷奈切通は何度も改修を受けて現代にいたっています。丘陵部に残る大規模な切岸(人工的な崖)は切通道の構造を良く示しており、周辺に残るやぐら(鎌倉時代頃の墓所)群・切岸・平場や納骨堂跡などの遺構と共に、中世都市の周緑部の雰囲気を良好に伝えています。
すぐ脇には、滝があります。
三郎の滝(朝比奈の滝)だそうです。
三郎誰やねん?!という感じですが、朝夷奈切通を一夜で切り開いたとされる伝説の剛力武士、朝比奈三郎に因んで「三郎の滝」と名付けられたそうです。
ま、実際は1年かけて整備されたのですが…
そのお隣には何やら石碑が。
何が書いてあるのかまったくわかりません。。。
最初は歩きやすい道が続きますので問題ありませんが、次第に泥濘んだ道へと変化していきます。
滑りにくいトレッキングシューズで行ったほうが良いですよ。
スニーカーでも行けなくはないですが、地面がぐちゃぐちゃで、滑りやすく危険です。雨の後は相当な量の雨水が流れていると予想されますので、注意が必要です。
朝夷奈切通ハイキングの最大の難所と言えます。
途中で石地蔵や南無阿弥陀仏像などがありました。
そして、大切通です。
岩には仏様が掘られていました。掘られた仏様の事を、磨崖仏(まがいぶつ)と言うそうです。
ちょっと分かりにくい写真ですが、現地に行くと、かなりの大きさを切り開いた事がわかります。北条泰時すげえ。
熊野神社
大切通を抜けると、熊野神社の入り口が見えます。
ついでに、熊野神社にも立ち寄ったのですが、、、
かなり、細い道で雨上がりという事もあって泥濘んでいました。
行くときは注意してくださいね。
山道が急に拓け、熊野神社に到着。
熊野神社は、鎌倉の鬼門の守りとして北条泰時が建立したそうです。
街がすぐそこにあるとは思えない静寂な時間が流れています。
小切通
やぐらが、あちこちにありました。朝夷奈切通を整備するために多くの方が犠牲となった事でしょう。
ちょっと小さめの切通を抜けると、横浜側に出てきます。
横浜横須賀道路の高架下をくぐって、、、
朝比奈側の出入り口に到着です。
昭和31年まで県道だったという事だけど、県道らしからぬ佇まい。
まとめ
今回は、たまたま鎌倉のハイキングコースを調べて知りました。実際に訪れた後に色々と調べていると、とても重要な道であることがわかり、帰ってきた後の方が更に楽しめるハイキングコースでした。
鎌倉時代から700年もの間、人々の往来を支えてきたこの道の長い歴史に思いを馳せながら歩くと、また感慨深いものがあるのだろうなぁなんて思いました。
行くときは、落石と足元には十分注意して訪れて下さい!
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