神奈川県接種率最下位、大和市の新型コロナワクチン接種の遅れについて
やなけん(@yanaken8787)です。
デルタ株の猛威が止まりません。
本来であれば胸の内にしまっておこうと思ったのですが、あまりにも私の住む大和市のコロナワクチンの現状が酷いので、住まいを明かしてでも発信する事にしました。
これは担当含め大和市役所全体における、災害や戦争・その他有事の危機管理能力を危惧する話だと個人的には捉えています。
この現状、一市民としては
と、正直思います。
多くの人に現状を知って頂きたく記事化しました。
神奈川県内のコロナワクチン接種率順位(自治体別)
まずはこの接種率の順位表を見てほしい。(PDF / 大きい画像)
このデータは神奈川県の「新型コロナワクチンの接種について」にて定期的にデータ配信されており、全世代の2回目接種率にてソートをかけた順位です。
大和市は堂々たる最下位。
大和市は全世代の1回目接種率においても最下位のため、根本的な問題を解決できないまま8月下旬まで来てしまったことになります。
(2021/09/24追記)
前回の進捗から1ヶ月が経過しました。大和市議会で職域接種のVRS登録が進んでいないとの発言があったようですが、どのように変化したか見ていきましょう。
大木市長「大和市のワクチン接種は混乱なくスムーズに行われていると認識している」「10月末までに希望するすべての市民に2回接種が完了する」「VRSに職域接種の結果が登録されていないだけ。大和市の接種は遅れているわけでない」#大和市議会
— 病児保育BB🧸看護師&保育士募集中 (@16_bambini) September 16, 2021
前回の実績から全世代の2回目接種率が13.57%進捗しました。現場の皆さん、ご苦労さまです。しかし、人口10万以上市町村ではダントツの最下位。VRSの登録が進んでいないとの事ですが全市町村同じ条件なので、大木市長の発言は単なる意味のない言い訳かなと感じています。
64歳以下の接種率が前回よりも18.11%上昇しています。
冬の第6波到来へ向けて市内会場(病院含む)予約状況の把握と、キャンセル待ちによる接種勧奨を積極的に行っていくべきです。
大和市の接種券発送スケジュール
大和市では「大和モデル」と称して一時期は先進的な取り組みの報道もあり安心していたのですが、6月下旬くらいから「あれ? なんか他の自治体と様子が違うぞ…」と思い始めました。
私の年齢は現在46歳。周辺の自治体では、私の対象年齢は7月上旬に接種券が配送予定となっていました。7月上旬時点の大和市では、私の対象年齢は7月30日以降となっており、7月下旬にようやく8月10日発送というアナウンスがホームページにて発表されました。
大和市新型コロナワクチン(大和モデル)ページより引用
これは接種券が届いたら、「スムースに予約できるように」「混乱しないように」との理由からこのようなスケジュールとしたようです。後述しますが、結果的にこの方針を頑なに貫いた事が大きな影響を与えることになりました。
私が1回目のワクチンを接種するまで
7月上旬に、定期通院している横浜市内のかかりつけ医でワクチン接種の案内を貰ったのですが、接種券が到着していなかったので申込みができませんでした。この時点ではデルタ株の勢いもそれほどではなかったため、「いつ接種券来るのかなー」程度にしか思っていませんでした。
7月13日。
妻からこんなチラシが配布されていたとメールがありました。
確かに国のワクチン供給量が減っていた時期ではありますが、もともとVRSというワクチン接種実績を管理するシステムに実績入力し、実績に応じて供給配分が決まる仕組みになっているため、国へ責任転嫁していると受け取れるチラシに怒り心頭。
いま思えば、接種率が悪ければワクチン入荷は絞られるでしょうね。
ちょうどその頃、お隣の綾瀬市では中学生にワクチン接種が始まったニュースが流れ、知り合いの住む狛江市では全世代でワクチン接種予約開始になった事を知り、「大和市やべえな」と思い始めました。
7月28日。
たまたまTwitterで、自衛隊の大規模接種を希望する人は大和市に連絡すると先に接種券を送ってもらえることを知りました。大和市のホームページを見たら記載あるが、PSメール(大和市の情報配信メールサービス)ではお知らせがありませんでした。
後に、既存のPSメール登録者はコロナ関連の配信がデフォルトで「メール配信しない」設定になっていることを知ることに。
なぜ緊急かつ重要な情報を強制配信しないのでしょうか。(さきほどHPを見たら注意喚起文が掲載されていました)
新型コロナワクチンコールセンターへ電話して接種券発送を依頼しました。大規模接種用に発送した接種券では「大和市内ではフライング接種しないように。年齢の順番を守るように」と念を押して伝えられました。
8月3日 接種券到着。
8月5日 自衛隊大規模接種予約の戦いに敗れる。
8月6日 キャンセル待ちで自衛隊大規模接種予約、妻7日、私10日に1回目を接種。大和市は私の年齢は8月10日に接種券発送とのアナウンスだったので、他の人よりも早い時期に接種ができました。
横浜市や川崎市などワクチン予約が全然出来ないから大和市で予約したというツイを結構見かける。大和市民でまだ予約さえ出来ていない人が多くいるのに。混乱をさせる為に年齢区分設けたって回答だけど普通に混乱してます。#大和市ワクチン#大和市接種券遅い #大和モデルの意味がわからない
— きょんの (@326Kyon) August 24, 2021
Twitterを見ていると、他の自治体に住んでいる人が大和市内の病院で接種するケースが散見されているようです。
この原因としては、
大和市民「接種券持っていない」
病院「キャンセルなどでワクチン予約枠が余ってしまい、ワクチンを廃棄するリスクがある」
病院「廃棄したくないから接種を呼びかける」
他市民「大和市の病院で接種をする」
これが原因と考えられます。ワクチン(もしくは接種機会)はあるのに、接種券がないから接種できない。
大和市で接種が遅れている原因の推測
実際のところはわかりませんが、私が考える大和市の遅れの原因は以下の通りです。
- 「新型コロナの蔓延は未曾有の危機・有事」「少しでも早く、一人でも多くワクチン接種を進めることが危機を乗り越える唯一の方法」という認識がない。もしくは大和市役所全体で合意・共有ができていない(もしかしたら、市議会も同じ意識なんじゃないかと)。
- KPIの致命的な設定ミス。本来は全住民の接種率にすべきところ、大和市役所としてオペレーションやその他の指標に焦点や意識が向いてしまった。
- 接種実績の要因分析ができていない。
- 方針策定後の軌道修正を図らず、頑なに年齢順に接種券を発送した。
コロナワクチンを接種すると、感染率や重篤化率が大幅に下る事がデータで明らかになっています。
日本で接種が進められている新型コロナワクチンにはどのような効果(発症予防、持続期間)がありますか。
医療体制を守るために年配者からの接種は間違っていませんでしたが、集団免疫を獲得するため、重症化率を低下させるための「接種できる人からバンバン接種する」政策の切り替えが出来なかった(もしくはしなかった)ために、この接種率になっていると判断しています。
未曾有の状況に対して、どの様にしなやかに対応するか
大和市の今回の対応は、デルタ株が感染拡大している現時点では失敗しているように見えます。
接種が遅延している自治体への指導や助言が出来ていない神奈川県の問題かも知れません。しかし、この失敗を教訓に変えられるか否かは市役所の皆さんにかかっています。(もしくは議会も)
大切なのは物事を様々な視点で見つめて本質を見極め、ボトルネックとなる事象を特定、解消することです。決定した行動も、間違っていたと分かったなら軌道修正してもよいじゃないですか。(間違っていたと気づいていない可能性も…)
「この自治体に税金払ってよかったな、この市に住んでいてよかったな」と、喜んで納税できるような体制に変えて頂きたいと切実に願います。今の現状は本当に残念です。
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