第8回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」は、ホワイト&働きやすい会社を選ぶ決定戦!

「気分よく、毎日楽しく働こう!」がモットーのジンボ(@jinbo55)です。

昨日は、人を大切にする経営学会主催の「第8回 日本でいちばんたいせつにしたい会社大賞」の授賞式と記念講演に出かけてきました。

立場上、外出する機会を頂くのですが、理想と現実のギャップに憂いるのとともに、自分で影響を及ぼすことができる範囲が非常に狭いことに歯がゆさを感じます。

スーパーホワイト企業を認定するこの大賞ですが、かつてはブラック企業(普通企業?)だった会社もあるのが特徴です。会社経営そのものが、経営者の資質や考え覚悟などに大きく影響される事を認識させられました。

懇親会には加藤厚生労働大臣も出席され、今後、ますます認知度と受賞企業のステータス向上を願う賞だなと思いました。

日本でいちばん大切にしたい会社大賞とは?

法政大学大学院政策創造研究科教授・人を大切にする経営学会会長である坂本光司氏が執筆された「日本でいちばん大切にしたい会社」という本が原点です。

出版の後、あさ出版・日刊工業新聞社・法政大学からなる実行委員会で開催されてきた大賞です。

現在は、2014年に設立した「人を大切にする経営学会」が学会事業として開催しています。

応募条件がある

日本でいちばん大切にしたい会社大賞は、例年7月~11月くらいに応募が開始されます。

応募には5つの条件があり、それらを満たした企業のみが応募可能です。

過去5年以上にわたって、以下の5つの条件に全て該当していること

  1. 希望退職者の募集など人員整理(リストラ)をしていない
  2. 仕入先や協力企業に対し一方的なコストダウン等していない
  3. 重大な労働災害等を発生させていない
  4. 障がい者雇用は法定雇用率以上である
  5. 営業黒字(除くNPO法人・社会福祉法人・教育機関等)である

※常勤雇用50人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、障がい者就労施設等からの物品やサービスの購入等、雇用に準ずる取り組みがあること

※本人の希望等で、障がい者手帳の発行を受けていない場合は実質で判断する

第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 募集要項より

人の定義としては、下記が定義されています。

  • 従業員とその家族
  • 外注先・仕入先
  • 顧客
  • 地域社会
  • 株主

人を大切にし、かつ黒字を維持した上でしっかりと納税義務を果たす…という応募の段階でかなり高いハードル設定ですね。

利益が出ている会社で、取引先に無理な値引きを強いたり従業員に適正に還元せずに上層部のみが懐を温かくしている、障害者雇用なども法定雇用を守らず、障害者雇用納付金で解決している会社も沢山あります。

その中で上記5つの条件を満たしている自負があり、大賞に応募しようという会社は、たとえ審査に合格しなくても良い会社と個人的に感じます。

審査方法と賞の取り消し

審査方法は以下の方法でされ、賞の取り消し基準も設定されています。

【審査方法】

  • 学識経験者、学会関係者などで構成する審査委員会で、厳正かつ公正に審査を行います。
  • 第一次審査は書類審査となります。その後、審査委員会で検討を重ね、最終審査に残った企業に対し、審査委員が経営トップの方に直接ヒアリング調査に出向きます(ヒアリング調査期間は2017年12月~2018年1月上旬実施予定。)
  • 審査結果を踏まえ各賞を決定し、2018年3月上旬に入賞者をホームページ上で発表します。

*審査内容の詳細、審査結果に対する異議申し立てについては一切お受けできません。

以下の場合は応募を無効、または本賞の付与を取り消します。

  • 本表彰の目的を損なうような行為、もしくは応募の際に虚偽の記載、申告があった場合
  • 法令違反など社会通念上、本賞受賞者とすることがふさわしくないと判断された場合

当然、資料やヒアリングを元に賞の付与を行っていますので、実行委員会を騙して賞を獲得することも理論上可能なわけですが、不正をして獲得した賞には何も意味がないのは明白ですよね。

ただ、不正で取得した賞でも会社に様々なメリットが出てきますので、こうした取り消し条項を盛り込んでいるのだと思います。

第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞した企業

今年はどんな企業が受賞したのでしょうか?また、どんな理由で受賞したのかを主要4社を中心に見ていきたいと思います。

 

経済産業大臣賞

  • 企業名:萩原工業株式会社(岡山県倉敷市、東証1部7856)
  • 主事業:合成樹脂加工製品及び機械製品の製造・販売
  • 代 表:萩原邦章会長・浅野和志社長
  • 設 立:1962年
  • 社員数:1,485名

【主な受賞理由】

  1. 創業から上場企業となった今日まで、業績ではなく社員の雇用と生活を第一に、どんな厳しい時代であっても、社員のリストラをしない経営姿勢
  2. 正社員比率が86.9%と特別な理由がない限り、全社員を生活が安定する正社員として雇用
  3. トップの部屋にはその社員の関するメモが入った全社員の顔写真があるばかりか、社員の誕生日には、全社員にトップのメッセージカードを添えたバームクーヘンをプレゼント
  4. 「おもしれ―、直ぐやってみゆう・・」の創業者精神が健在
  5. 社員1人当たりの月間所定外労働時間は7時間程度

この会社が素敵だなと感じたところは、今は会長である当時の萩原社長が、とても社員さんの事を考え、一人ひとりを見ているところ。

壁一面のホワイトボードに、社員さんの顔写真と所属が記入されたマグネットを作成し、

「この社員は、最近お父さんが亡くなったな」
「お子さんが生まれたばっかりだったよな」
「プロジェクトの山場で最近残業続いているな」

など、社員さんの立場からすると「安心感」と「帰属意識」は非常に高いことでしょう。会長の萩原氏の人柄がよく現れたエピソードだなと感じました。

神宮球場の人工芝はこちらの会社さんが手がけています。

厚生労働大臣賞

  • 企業名:コネクシオ株式会社(東京都新宿区、東証1部9422)
  • 主事業:携帯電話の卸売・販売及び携帯電話を利用したソリューションサービスの提供
  • 代 表:代表取締役社長 井上裕雄
  • 設 立:1997年
  • 社員数:5,083名

【主な受賞理由】

  1. 従業員数5,000名を超える大企業でありながら、「ESなくしてCSなし」を経営の重要テーマに位置付け、社員1人ひとりの仕事のやりがいと成長実感を大切にした経営を実践している
  2. すでに4年前から働き方改善活動に戦略的に取り組んでおり、また雇用面では、この4年間で約2,000名の非正規雇用労働者を正規雇用労働者化している
  3. 正社員比率が76%と業界の平均をはるか上回っている
  4. 社員1人当たりの月間所定外労働時間の削減にも積極的に取り組んでおり、残業時間が比較的多くなりがちな業界の中で、同社はここ数年にわたり、19時間程度と、メリハリのある働き方になっている
  5. 障がい者雇用にも積極的に取り組んでおり雇用率は2.43%と高い

元携帯電話販売店の店長としては、業界で働くならこの会社と単純に思いました。

 

経営理念として「人をつなぐ、価値をつなぐ」を掲げ、ワークライフバランスを考えた月の変形労働時間制を導入し、両立しやすい環境を整えています。

例えば、「今週末は夕方から野球の試合があるから、15時で帰りたい。その変わりに今日はその分を上乗せした時間を働く」などが可能なのです。

この取り組みにより、年間労働時間2,200時間から2,040時間へ削減している所がすごい。

女性の活用にも力をいれており、妊娠→出産→復職まで、保育園探しや産休前研修などでサポートし、復職率はなんと96%!

障がいを持つ社員も「手話接客」などで活躍しており、非常に社員満足度の高い会社なのではないでしょうか?

正直、羨ましいと思いました。

中小企業庁長官賞

  • 企業名:伊那食品工業株式会社(長野県伊那市)
  • 主事業:寒天等天然糊料・天然ゲル化剤・家庭用食料品製造販売
  • 代 表:代表取締役社長 井上修
  • 設 立:1958年
  • 社員数:458名

【主な受賞理由】

  1. 「会社の目的は社員の幸せを通して社会に貢献すること」を経営理念として、リストラなしの年輪経営を50年以上実践し、末広がりの経営に努めている
  2. 社員のモチベーションが高く、離職者はほとんどいない
  3. 人財育成や研究開発等にかかる未来投資が大きい
  4. 新規採用にこだわり、毎年30名前後を採用目標としている
  5. 地域の文化継承への取り組みや社会に対する貢献活動は傾注に値する

こちらの会社の社員さんは、会社と社長である井上氏が好きなんだろうなぁというのが良く伝わる社長さんです。とにかく話が面白い。そして、温かさを感じる方です。

自死とはいえ、社員さんを亡くした過去があり、その理由が会社にあったのではないかと今も自問自答されているそうです。明るい人柄の中にも、そうした社員さんに対する想いを強く感じるお話でした。

中小企業基盤整備機構理事長賞

  • 企業名:株式会社吉村(東京都品川区)
  • 主事業:食品包装資材の製造・販売
  • 代 表:代表取締役社長 橋本久美子
  • 設 立:1967年
  • 社員数:228名

【主な受賞理由】

  1. 価格競争を避けるため、小ロットの日本茶ラミネート茶袋に特化するとともに、茶業者(農家・問屋・茶専門店)と一体となって日本茶の魅力を海外や若者に訴求している経営姿勢は傾注に値する
  2. 社長は社長という仕事を行う社員と評価・位置付けし、社長はもとより全社員の「さん付け」を行っている
  3. 全社員、とりわけ子育て中の女性社員への配慮が厚く、結果として12年以上、出産退職はゼロである
  4. 全社員の誕生日には、図書カードと社長からの手書きのメッセージカードをプレゼント
  5. 障がい者雇用に熱心に取り組んでおり、現在の雇用率は4.0%と高い

 

女性社長ならではの視点で色々と取り組まれているなという印象でした。社員さん一人ひとりの名前をしっかりと覚えているとの事で、社員さんに対する想いはぐっとくる物がありました。

「外で厳しい事もあると思うから、会社は安らぐ場所であってほしい」
「報告は立場関係なく、社長からも社員さんに対して報告が必要」

出産を経て復職した女性社員の意見を取り入れた新しいブランド「江戸越屋」など、培ったパッケージ包装資材の製造技術を用いた可愛いパッケージの商品を開発しています。

差し入れで頂いたのですが、ちょっとした贈り物に良いデザインです。残念なのは手に入れたいと思った時に、どこで販売しているのかわからなかった事です。

ちょっともったいないなと感じます。

授賞式と記念講演を聞いた感想

今回、上場企業が経済産業大臣賞と厚生労働大臣賞を受賞しました。これはどういった事なのでしょうか?

僕が関わっていた業界のコネクシオの場合、キツくてツライが代表の、不人気職種なので募集しても応募がなかなか無い。そしてすぐに辞めるという負のスパイラルが発生しています。

この負のスパイラルを断ち切る為に、奮起努力した結果が今回の受賞だと感じました。

柴原工業も、トップ自らが社員を大切にする考えのもとで行動しています。結果的に帰属意識の向上と生産性が高まり、5年連続の営業黒字が達成できているのではないでしょうか。

自分が勤めている会社を、自分も家族も自慢できる会社こそが「日本でいちばん大切にしたい会社」なんだろうな。

まとめ

総務省統計局の資料によると、2018年2月1日現在の概算値で日本の総人口は1億2,656万人で、前年同月よりも▲23万人の減少、労働力人口(働いている人の数)は6,562万人です。

厚生労働省の資料によると、2030年の労働力人口は6,180万人まで減少すると予測されています。特に15歳~59歳に焦点を絞ると深刻で、2030年予測で4,906万人と働き手の確保は困難を極めます。

働きやすい会社?良い給料に良い福利厚生?そんなの利益あってこそだ。

ごもっとも。

その利益確保と、従業員の働きやすい環境提供が出来ている会社が日本にはあるのです。この問題に気づいて、いち早く取り組んでいる会社が生き残っていくのは間違いありません。

今後は、こうした対外的に認知される「良い会社認定」をされた企業へ応募が増え、良い企業は人材確保に困らず、悪い会社は人材確保に苦労する時代がくるでしょう。

若い世代の皆さんは、新卒入社や転職の会社選びの基準に大いに活用すべきです。

第二次ベビーブーム、かつ、就職氷河期世代の僕から見ると羨ましい限りです。

人を使い捨てとしか考えていない会社にはどんどん潰れてもらって、この大賞へ応募検討する企業が増えていくことを願って止みません。

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Posted by ジンボ